市場町デンタルクリニックのお知らせ
2016年11月13日、日本インプラント学会理事、前日本インプラント臨床研究会会長である、井汲 憲治先生のお話を伺ってまいりました。エビデンスに基づく高い信頼性と安全性を重視したご発言と実績において、日本を代表するインプラントロジストのトップランナーです。
当院で採用しております、デンツプライ三金社のシンプラント(SinPlant)というCT画像解析ソフトを使用し、解析データからインプラントの埋入位置・方向・埋入深度まで、完璧にコントロールして、設計通りのインプラント埋入を実現させた最新外科用ステントによるガイド埋入システムのお話でした。
つい数年前までは、ガイド埋入システムによる、埋入位置・方向の誤差の大小がありすぎる事が大きな問題点でした。その誤差が許容を超える場合が多く、使い手を選ぶシステムでした。それが、現在同様のガイドOPEを支援するシステム開発で有名各社がしのぎを削っており、その切磋琢磨の中で、井汲先生が最終的に選ばれたのがシンプラント システムです。
外科用ステントの問題点は、1.外科用ステントの作成におけるCT解析データの誤差。 2.ステント作製時の発熱等による材質的な誤差。 3.設計通り外科用ステントを口腔内に正確に装着する事が困難なための誤差。 4.実際のOPE時のドリリングの際に、ステントに設置された埋入位置・方向・埋入深度を決定するメタルスリーブとドリリングバーの遊びによるブレにより生じる埋入窩形成時の誤差。 5.埋入窩の注水が危うくなるための骨火傷等の問題が山積されていました。
上記の問題点を各社がしのぎを削って、開発を進めてきたわけだが、埋入深度まで正確に行えるのは、現時点では、シンプラントシステムだけです。そのシステムも開発当初は、パイロットガイド(埋入方向と大まかな埋入深度)のみのシステムから始まり、その後、フレキシブル・ユニバーサルガイドへ発展し、使うドリルの径に合わせて、3ステップ3個の外科用ステントを用意したシステムとなり、それが、フルコントロールできる、ガイドスリーブ付きのバーの開発により、1個の外科用ステントで、全ての直径のインプラント埋入が可能となりました。シンプルかつ安定性抜群の操作性により、OPE時間を約半分に短縮できるようになりました。
後は、補綴治療を踏まえた、補綴設計主導の治療計画を如何に正確に立案できるのか!つまり建築で言えば、建築基準に基づきながら、快適な居住空間を居住者優先で設計施工する。そんな、インプラントOPE設計図を作ることができれば、イメージ通りの結果を 信頼性を持って、安全に行える時代になったことを確信しました。
私には、外科用ステントなしでも、ほぼ、CT解析しました位置と方向に、インプラント埋入する力があります。そのために、一番シンプルなパイロットガイドによる埋入位置と方向を定めたら、あとは、私の経験による体内センサーによる埋入が殆どです。それで、何の問題も出ておりません。でも、今回のレクチャーにより、信頼性・安全性を向上させるために、ガイデットサージェリーは、絶対に必要であると感じさせられました。それも、フルコントロールで、絶対的な信頼性のあるシステムでなければならないと思っており、模索して参りました。
10月27日、私の所属する、ストローマン千葉北の定例会で、同会員である、日本を代表するインプラント専門技工所。協和デンタルラボラトリー代表取締役の木村健二氏の職場見学会があり、そこで展開せれている光景は、デジタルデンタルラボの最先端の姿でした。そこには、従来の粉塵が舞う技工所とは一線を画しており、技工物をフルコントロールで作成する工程を確立しておりました。本当にすごいと思ったのは、外科用ステントから矯正装置に至るまで、依頼人Dr.とテレビ電話で、細部を技工物データを一緒に見ながら設計していく姿でした。デジタルデンタルシステムを目指す私には、目から鱗のシステムでした。
そんな、大きな刺激を受けての、今日の井汲先生のお話に、私が今現在できることで、最先端のガイデットサージェリーのシステム構築の頭が、完全に構築する事ができました。もう、足踏みする必要がないことは間違いない。より信頼性のある、安全な外科用ステントによるガイドOPEシステム構築を目指します。